みっつばーの社会科準備室

好きなことを好きなように書きます

キタカミとヒスイ ~ガチグマと見る作品間のかかわりとは~

こんにちはこんばんは、みっつばーです。このブログに少しでも興味を持ってくれて、ありがとうございます。

 

実は2024年最初の記事になります。本当は昨年の年末に投稿する予定でしたが、卒業論文に追われすぎており、気づけば2月になっていました。のほほんと大学生でいられるのもあとわずかです。

 

前回の記事のおわりに、考察系をやると言っていたので今回は久しぶりにポケモンらしいネタを。メインテーマはスカーレット・バイオレットDLC『碧の仮面』の舞台、キタカミの里です。『青の円盤』じゃないんかい! …といった意見はいったん置いておきましょう。

今回の主役は鬼さまやキビキビの桃ではなく、こちらです。

もりのくまさん(こわい)

キタカミの里北部、「とこしえのもり」に現れる巨大な熊ポケモンガチグマです。ガチグマはレジェンズアルセウスにて登場し、リングマから進化する新たな進化ポケモンでした。進化前のヒメグマリングマはおそらく本州に生息するツキノワグマをモチーフとしていましたが、ガチグマはヒスイ地方、すなわち北海道を舞台にしているということもありヒグマもモチーフとしている可能性が高いです。また、リングマよりも一回り以上大きな身体になったせいか、二足歩行から四足歩行になり、「でいたんポケモン」という名前の通り身体の多くが泥・炭に覆われています。

三日月→月輪→満月 となっているのはどのような意味が込められているのでしょうか。

しかし、これらはあくまでも通常のガチグマについての記述になります。スカーレット・バイオレットにて、キタカミの里に現れたガチグマはアカツキと呼ばれる特殊な個体であり、通常のガチグマとは異なった特徴を有していることが伺えます。

図鑑説明。さらっと重要な記述がされています。

タイプこそ通常のガチグマと同じ、じめん・ノーマルのままですが、特性は“しんがん”という固有のものに変わっています。四足歩行だったのが、海を泳いだためか後ろ足が発達しており二足歩行になっています。表皮の色も、黒に近かった茶色が赤っぽく変色、そしてなにより額の月模様がその名の通り真っ赤に染まっています。サザレの話や図鑑の説明などから考えても、後天的ですがこれはガチグマのリージョンフォームと考えて相違ないでしょう。

ちなみにリージョンフォームについては以前の記事で詳しく記述しています。

ディグダとウミディグダ ~リージョンフォームとは異なる生態の可能性~ - みっつばーの社会科準備室 (hatenablog.com)

 

霧の濃い夜に現れる、とサザレの口から説明されていました。その容貌はアンデッド(行ける屍)のようにも感じられます。

そして、重要なのが、このガチグマはキタカミの里に最初から生息していたわけではなく、海を渡ってキタカミにやって来た、ということです。このことから、ヒスイ地方(シンオウ地方)とキタカミの里は地理的にさほど離れていないということが改めてわかります。元々、キタカミの里は現実世界の東北地方(おそらく岩手県北上市)がモデルとなっていることが示唆されていたため、北海道がモデルのヒスイ地方と距離がそう遠くないというのも納得できるでしょう。本来の生息域から離れ、海を渡って別の土地に流れ着く、ということは一見とても難しく思えますが、北海道の南端から青森県の北端までの距離であれば、天候や潮の流れ等の条件さえ満たせば現実世界のヒグマも海を泳いで渡ることが可能だそうです。

ゲーム本編でのアカツキとの戦闘イベントのBGMが、レジェンズアルセウスでの野生ポケモンとの戦闘時のものと同じものがわざわざ使用されていたことからも、ヒスイ~キタカミの距離感は近いということを裏付ける要素のひとつであり、ひょっとしたらジョウトカントーと同程度の近さかもしれません。

 

 

ここまでで、いくつかの疑問が生じたことでしょう。この記事では、おおまかに3つの疑問を提示します。

アカツキはなぜキタカミにやってきたのか

アカツキアカツキとなったのはなぜか

③なぜキタカミとヒスイ(シンオウ)との関連をストーリーに組み込む必要があったのか

 

 

まずは、①の疑問から考えていきましょう。

 

アカツキはなぜキタカミにやってきたのか」。

クマは本来、渡り鳥のように生息域や生活圏を超えた大規模な移動を行うことはめったにありません。ましてや、先ほど少し言及したように、海上を泳ぐことができるといっても陸上動物であるクマが海を越えてまでの長距離を移動すること自体、まず起こらない出来事です。つまり、ヒスイに住んでいたガチグマが海を越えるほどの「なにか」があった、ということに他なりません。

ベルはBW2でビジュアルが変わっていますが、2年もすれば女性は“変わる”ということでしょうか

ブラック2・ホワイト2において、主人公と話すベルのセリフで『(中略)…2ねんまえに くらべて ポケモンぶんぷも かわったみたいだから…』という発言をしています。

ここからは、ポケモンの生息域が比較的短期間で変化するのは、この世界ではたいして珍しくない、ということが読み取れます。ブラック・ホワイトとブラック2・ホワイト2をプレイした経験のある人であれば、これらの作品間でどの程度分布が変化しているのかがわかるかと思いますが、かなり異なっています。つまりは、このような大胆な分布変化も特別珍しくはない、ということなのです。それ故にポケモン図鑑は日々更新する必要があり、だから主人公たちポケモントレーナーは皆図鑑をもらっているということなのでしょう。ポケモンの分布が変わることは少なくないため、旅をするトレーナーたちの存在はそのフィールドワーカーにもなっているわけです。

「図鑑のデータ集めなんて強くなるためのツールでしかない……」

…ということは決してなく、リアルタイムのポケモンの分布調査という観点で大いに役立っていると言えます。

 

 

話を戻します。件のアカツキガチグマの海を越えた移動は、このような分布の変化に当てはまるのでしょうか。

 

結論から言うと、半々であると私は考えています。

考えられる可能性としてはおそらく2つです。

A:ヒスイ地方がシンオウ地方となる過程での、大規模な都市開発や環境破壊による分布の変化によるもの

B:後のアカツキ個体のガチグマ1匹だけが、なんらかの理由で移動しキタカミに辿り着いた

 

Aについては、現代のシンオウ地方が舞台であるダイヤモンド・パールにおいて、ガチグマは絶滅しており現代のリングマもガチグマへ進化できないことが理由として挙げられます。ガチグマ以外でも、オオニューラやハリーマンなどのヒスイポケモンは現代では絶滅している、というのが通説となっています。絶滅の理由については明らかになっているポケモンとなっていないポケモンがいるために定かではありませんが、ガチグマの絶滅理由が都市化による開発や自然破壊であればある程度辻褄が合います。

「でいたんポケモン」という分類に注目したとき、身体の多くが泥・炭に覆われているガチグマには、その泥炭が生存に不可欠なものであると仮定できます。19~20世紀の北海道では夕張地方を中心に豊富な石炭資源が存在しており、資源獲得のために多くの自然が破壊され、また、開発が進められていたという歴史があります。ガチグマが生きていくために必要な泥や炭がこのようにして徐々にシンオウの大地から無くなっていったのだとすれば、絶滅の理由としては十分であると考えられます。

集めるのが大変なアイテムでもある

リングマがガチグマへと進化するために必要なアイテム、ピートブロックも石炭であることから、石炭の減少や都市化による泥の減少は死活問題であると考えられます。現代でガチグマは絶滅しており、ヒメグマリングマは変わらず存在している理由は、後者は泥炭を必要としないことにあるのではないでしょうか。

 

ともあれ、このような要因からガチグマはヒスイから徐々に居なくなっていき、いずれ絶滅する筈でした。しかし、大きな環境の変化から生息域を離れ新天地を目指そうとするガチグマがいてもなんら不自然ではありません。生存の危機を感じ取ったガチグマたちによる、「ガチグマ」という種の分布変化、種としての大移動がこの時期に行われ、ヒスイからガチグマは姿を消した、とすればどうでしょう。そして、その個体1匹だけか、あるいは複数匹かは不明ですが、結果的にヒスイを離れキタカミに流れ着いた1匹が例のアカツキではないでしょうか。これが可能性Aです。

 

 

可能性Bは、Aよりもシンプルなものです。たまたまその1匹が、住処を追われるなりただ移動するなりした結果としてキタカミに流れ着いただけで、分布変化のような比較的大規模な種としての変化は起きてはいない、というものです。Aの可能性とも別に大きく離れてはいないですね。いやむしろAの延長とも考えられるでしょう。

しかし、それではわざわざ別の可能性としてAと分ける意味はなんだ?と感じた人もいらっしゃるのではないでしょうか。その理由は、ここからの内容は推測が多く入ったものになるためです。

 

その推測とは、「“アカツキ”は実はレジェンズアルセウスの主人公のライドガチグマであった」というものです。

上述したように、わざわざ1匹だけが本来の生存圏を離れることはまずイレギュラーであるというのが前提です。であれば、その1匹には相応のイレギュラーがあると考えることができます。「ガチグマ」をそこに当てはめて考えたときに、たしかに1匹、他のガチグマとは違うガチグマが存在します。

たれ目可愛い

そう、ライドガチグマです。

このガチグマはレジェンズアルセウス主人公のライドポケモンとして、嗅覚を武器に埋まっているアイテムを探すことができました。ガチグマのほか、アヤシシやイダイトウなどライドポケモンは明確に他の個体とは区別されているといえます。ひょっとしたら、アカツキはこのライドガチグマと同一個体なのではないでしょうか。

先ほど推測、と述べたように明確な根拠があるわけではないのでただの妄想になりますが、ライドガチグマは通常の個体とは異なりレジェンズアルセウス主人公に付き従う眷属のようにも見えます。仮にレジェンズアルセウスの世界が現代のおよそ100年ほど前の時間軸であると仮定すると、主人公がいなくなった後のガチグマはどうなったのでしょうか。かつて「シンオウさま」の加護を受け、古代の英雄が従えていた10匹のポケモンのうちの1匹であるこのポケモンであれば、他のポケモンよりも長寿であるとは考えられないでしょうか。やや苦しいこじつけかもしれませんが。主人公と別れ、役目を終えたその足で新天地を目指し旅立ったのかもしれません。

あるいは、このガチグマが若いうちにすでにキタカミに流れ着いた、という可能性も考えられます。辿り着いた場所である「とこしえのもり」という名前からは、ある種時間を超越したような雰囲気も感じられます。浦島太郎伝説の一説のように、とこしえのもりで過ごす時間はガチグマにとってはなんら変哲の無いものであったが、森の外ではとても長い年月が過ぎていた… という可能性はどうでしょう。アカツキとの戦闘イベントのBGMが、レジェンズアルセウスでの野生ポケモンとの戦闘時のものと同じものであるのは、このような理由だと考えることができるかもしれません。ガチグマにとっては、自分はヒスイ時代のポケモンですからBGMが変わるはずもありません。もしかしたら、アカツキが人間を襲うというのもヒスイ時代のポケモンの習性だから、ということかもしれません。ポケモンは怖い生き物です。

 

もしくは、長寿ということではなくタイムスリップ的な要素だとしたらどうでしょうか。

まどろみのもりの遭遇イベントです。もはや懐かしさがあります。


霧の濃い森の中、と聞いて連想されるのはソード・シールドのザシアン/ザマゼンタのイベントです。夢かうつつか、珍しいポケモンに出会うという体験は主人公ならではといえます。時空を超越することでヒスイ時代のポケモンであるガチグマに遭遇できた、という可能性も捨てきれません。

生前?のオーリム博士とてらす池で遭遇しました。

キタカミという土地のせいなのか、霧を介してオーリム博士は時空を超越し、現代の主人公と出会うことができました。とすれば、アカツキも主人公たちと同じ地続きの世界の住人ではないという可能性も十分にあり得ます。とこしえのもりが時空を超越した世界であるのか、キタカミの里がそのようなパワーを持っているのか、はたまたテラスタルのエネルギーが作用しているのかは不明ですが。

 

 

もうひとつ、考えられる可能性としては、主人公を探していた過程で別の土地にまでやってきた、というものです。ゲームシステム寄りの特徴とはいえ、ライドガチグマは鋭い嗅覚をもって探索を行うことができました。その嗅覚で何かを探していて、海を渡ってまで探し続けていたという可能性は考えられないでしょうか。

キャラデザ考えた人にいつかお礼を言いたいです

元々レジェンズアルセウス主人公は現代からアルセウスによって拉致されてヒスイ時代のシンオウにやってきていました。ストーリークリア後のことまではゲームでは描写されていませんでしたが、ストーリー終了後に主人公がアルセウスの力で現代に帰っていなければタイムパラドックスが起こり歴史が歪んでしまう(もともと主人公はその時代にはまだ産まれてすらいない人物である)ことを考えると、主人公は無事に現代に帰ることができたと考えて良いと思われます。そうなると、ライドガチグマにとっては主人が突然姿を消すことになり、どうにかして探そうとしたのではないでしょうか。その嗅覚を活かし、ヒスイ中を探し回ったはずです。しかし、もう主人公はその時代のどこにも存在しないわけですから、見つかるはずもありません。そこでガチグマは、ヒスイ以外の土地に捜索範囲を広げ、結果、比較的近しいキタカミに足を運んだ… ということがあったかもしれません。

 

 

少し長くなりましたが、はじめに論じたように可能性Bは推測をふんだんに含んだ妄想がほとんどですので、あしからず。なんとなくこうだったらエモいな、というのが多いですね。

 

 

 

次です。②の疑問を見ていきます。

アカツキアカツキとなったのはなぜか」。

再度、図鑑の説明文を見てみましょう。『海を渡り流れ着いた土地で生き抜いた結果、特別な姿と能力に変化した』というのであれば、アカツキアカツキとなったのはキタカミに来てから、ということがわかります。それは、キタカミに渡った直後は通常のガチグマと変わらない姿形であったということになります。つまり、そのガチグマをアカツキへと変容させたのはキタカミの里、もっと言えば「とこしえのもり」であると考えられます。では、あの場所にはどのような特異性があるのでしょうか。

 

少しわかりにくくて申し訳ありませんが、全て「しろすじ」のヒスイバスラオです

とこしえのもりにある水場には、現代では絶滅しているはずの「しろすじ」のヒスイバスラオが生息しています。また、森にある洞窟の内部にはヒスイヌメイルの姿も見られます。この森が「キタカミ原生地域」というほとんど人手が加えられたことのない自然のままの土地であることも踏まえると、とこしえのもりはかつてのヒスイ地方にほど近い環境であり、それらが現代まで残っていると考えられます。現実世界の白神山地の原生林がモデルであるとすれば、納得です。海を渡ってきたガチグマがこの森に居着いたのも、故郷に似た環境であったことが理由のひとつでしょう。

そして、もう1点、とこしえのもりには大きな特徴があります。

ボクレー の むれだ!

それは、昼夜関係なくゴーストポケモンが多く生息していることです。これだけではピンとこない人もいるかもしれません。実は、キタカミの里では夜になると広範囲にわたりゴースやヨマワルといったゴーストポケモンが野生で出現するという特徴があります。しかし、もちろん出現しない場所もいくつかあり、夜だからといってマップ全体でゴーストポケモンが見られるということはありません。つまり、キタカミの里に特別ゴーストポケモンが多いというわけではないのです。

ですが、とこしえのもりは違います。

昼夜問わずゴーストポケモンの姿が多く見られる場所というのは過去のポケットモンスター・シリーズでも決して多くはなく、この森はパワースポットとでも言うような、霊的ななにかを引き寄せる特異な場所であると考えられます。アカツキの特性が通常のガチグマにはない“しんがん”となったのは、このような環境的要因が働いたためでしょう。生まれ故郷とは大きく違う土地での生存のために、ゴーストポケモンに対する攻撃手段を身に着けた、とすれば納得です。

 

そして、さらに特別な点がキタカミの里にはあります。

満月がやけに目立ちますよね、どことなく意味を感じます

夜になると、毎日満月が見えるという点です。ただし、あくまでもキタカミに限った話ではなく、パルデア地方でも同様です。おそらくスカーレット・バイオレットの仕様であると思われますが、ゲーム内の時間が夜になると、天気が曇りや雨でなければほぼ毎日満月が視認できます。何が言いたいかというと、ガチグマというポケモンの進化についてです。

額の満月模様が示すように、レジェンズアルセウスにおいてリングマがガチグマに進化するためには前述の「ピートブロック」というアイテムを使うだけでなく、満月の夜である必要があります。レジェンズアルセウスにはスカーレット・バイオレットと異なり「月の満ち欠け」の概念がありました。つまり、通常のガチグマはヒスイ地方の環境と月の満ち欠けによってあの姿かたちをしている、と仮定できます。

それが、毎晩満月の出る環境に身を置いたならどうなるでしょうか。アカツキとなった原因はそこにあるのかもしれません。豊富すぎる満月のエネルギーに充てられた結果、額の月は赤く染まり、本来の姿から変化してしまったと考えられます。

 

以上のように、アカツキアカツキとなったのは突然変異のようなものではなく、様々な原因がちゃんと存在しているというのが私の考えです。色々と長くなりましたが、これも考察の醍醐味ですね。

 

 

 

では次です。最後の③の疑問を見ていきます。

「なぜキタカミとヒスイ(シンオウ)との関連をストーリーに組み込む必要があったのか」。

一番悩んだのが、このことについてです。ポケモンのストーリーに詳細な理由を求めるのは正直ナンセンスかなとも思いましたが、考えれば考えるほどヒスイとの関連を持たせる意味について、知りたいと思うようになってきました。というのも、ポケットモンスター・シリーズ同士のかかわりは少なからず意味があります。同一キャラクターの登場や、時系列の把握などの、「そうだったのか!」というような要素が多分に含まれます。

「テレビコトブキ」は全国局のようです。おそらく民放だと思います。

例えば、ダイヤモンド・パール主人公がストーリー最序盤に自宅で見ていたテレビには、金・銀ハートゴールドソウルシルバー)のストーリーで出現した赤いギャラドスを題材にした番組が放送されています。ここから、ダイヤモンド・パール金・銀ハートゴールドソウルシルバー)はほぼ同時期のストーリーであることがわかります。

過去の事件を特集した番組である、という線も無いでしょう。緊急特番っぽいです。

ちなみに捜索隊とやらは目撃すらできなかったようです。金銀主人公よりも後に「いかりのみずうみ」に訪れていたようですね。放送事故に近いような……

 

 

では、件のアカツキを巡るイベントにはどのような意図・意味があったのでしょうか。いくつか仮説を考えてみました。

仮説1:サザレを出したかった

仮説2:次回以降のDLCで、シンオウ地方に行く

仮説3:ダイパリメイクの伏線

 

 

 

仮説1が個人的には一番ありそうだと思っています。

美人カメラマンおねえさん、よきです

レジェンズアルセウスにて登場したコンゴウ団団長のセキの子孫だと思われる女性、サザレはアカツキイベントの発端となる人物です。現代では珍しいヒスイのすがたのガーディを連れており、明らかにレジェンズアルセウスとの関連を匂わせまくっています。アカツキのイベントを始めるためには図鑑を埋めてこいと主人公に言ったりするのもあのときのアルセウスを彷彿とさせますね。

そんな彼女をスカーレット・バイオレットにて登場させたかった、というのが仮説1です。理由は可愛いから以外にも色々と考えられます。

 

まずひとつは、ポケモン図鑑をプレイヤーに埋めさせたかったから”。昨今のポケモンは、ランクマッチをはじめオンライン対戦がポケモンを遊ぶうえでのメインコンテンツとされている風潮があります。別にそのことについてどうこう言うつもりはありませんが、ポケットモンスター・シリーズの初歩的な魅力は「ポケモンと一緒に冒険する」ことや「未知なるポケモンとのたくさんの出会いを楽しむ」ことであると勝手ながら思っています。DLCによってオンライン対戦で使用できるポケモンが増えることや対戦環境が変わることは喜ばしいことですが、それらはあくまでも副次的なものです。

サザレの言った図鑑を埋めろの発言には、「ポケモンを楽しむこと」はけして対戦に興じることだけではない、という公式からの気持ちが込められているのではないでしょうか。新マップを楽しみ、懐かしいポケモンと出会って、ポケモンを改めて新鮮な感覚で味わって欲しいという意図があるのかもしれません。まあ、そうして図鑑を埋めたら出会えるアカツキガチグマがランクマッチで猛威を振るう強力なポケモンであるというのはいささか皮肉ですが。

 

 

ふたつめは、“サザレをDLC全体の要、キーパーソンとする意図があったから”。その理由は、昨年12月配信のDLC後編『青の円盤』にあります。

いちおう学校なので、なんというかキレイめな服装も見てみたいですね

彼女はDLC後編にも(なぜか)登場していました。しかも、キタカミのときと同じように図鑑を埋めろと言ってきています。図鑑を埋めて始まるイベントは古代/未来パラドックスポケモンの捕獲イベントでした。前編のときとほぼ同じ役割の立ち位置であることがうかがえます。メタな意見ですが、サザレはDLCにおける“こういう”ポジションのキャラにしたいという狙いがあるのかもしれません。金・銀・クリスタルにおけるミナキ、オメガルビーアルファサファイアにおけるヒガナのような。

 

 

 

続いて、仮説2です。それは、“次のDLCにてシンオウ地方に行く布石”というものです。

意味ありげな4色の光と4つのマーク

ダウンロードコンテンツ『ゼロの秘宝』には4隅にマークがあり、秘宝の文字の内部に4つの色の異なる光があります。このうち、キタカミの里、ブルーベリー学園を表すマークは判明しており、それに対応する緑、青の光がそれぞれ碧の仮面、青の円盤でしょう。また、確定はしていませんが桃色の光が番外編の桃の置物、右上のマークはマップ上のてらす池の形、のようにも見えます。(他に「ゼ」の文字の黒い濁点も同じ形をしていますが、ここではスルーします。他の文字と同じ色ですし。)

未確定の黄色の光と右下のマークが、もしかするとサザレあるいはシンオウ地方に由来するなにか、だとすればDLC第2弾もしくは番外編の可能性はあると考えられます。ただしこの仮説については確証も手掛かりもこの程度のため、可能性としては薄いです。

 

 

 

仮説3は、言わずもがなです。ダイパリメイクの伏線。これ以上書くことも、書く必要もないのでここまでです。

 

 

 

まとめますが、③の疑問については結論から言えばよくわからないという答えになってしまいます。これからの追加コンテンツで説明されることはあるかもしれませんし、ないかもしれません。今後のストーリーに大いに期待しましょう。長々と書いておいてこれかよ。

 

 

 

おまけというか余談

「とこしえのもり」はシンオウ地方の「ハクタイのもり」に対応しているのではないか、という情報を目にしました。その理由は、ハクタイのもりの英語表記です。

「ハクタイのもり」の英名は、Eterna Forest となるそうです。つまり、ハクタイとはおそらく「百代」という漢字が当てはめられます。

この「百代」とは、松尾芭蕉の『奥の細道』の冒頭の一節である、

『月日は百代の過客にして、…』の「百代」であると思われます。つまり、「永遠」という意味を指しているとわかります。そう、「とこしえ」です。

ガチグマがこの場所に住み着いた理由は、ハクタイのもりに似た空気や雰囲気を感じたからかもしれませんね。

 

 

 

いかがだったでしょうか。個人の意見ではありますが、それなりに楽しめたのでしたら幸いです。それでは。