みっつばーの社会科準備室

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パラドックスポケモン ~パルデアの謎~

こんにちはこんばんは、みっつばーです。このブログに少しでも興味を持ってくれて、ありがとうございます。

 

社会科準備室という単語から大学卒業後は教師になるんですかと質問がありましたが、ぜんぜんそんなことないです。

 

さて、今回はパラドックスポケモン(やや古代寄り)についての考察です。DLC(ダウンロードコンテンツ)の新ストーリーが来る前にスカーレット・バイオレット関連の考察をある程度消化したいと思います。ある程度っていってももうすぐ発売から一年が経つので擦られているテーマなんていくらでもあるんですがね。それでも、パラドックスポケモンは今作の代名詞のひとつであると思いますし、私自身彼らについて興味が尽きないです。ウネルミナモやテツノイサハなど、新規パラドックスは追加され続けていますし。

ウネルミナモって名前とても良い。

イッシュの準伝パラドックス3体で変形合体とかして欲しい

 

パラドックスポケモンについて整理していきましょう。パラドックス(パラドクス)とは、逆説、背理、と訳される言葉で、「一般に正しいと考えられていることに反する主張や事態」「正当な考え方で推論を深めていくと、一般的な結論と逆の答えが導かれ、ものの道理があわなくなる」といった意味があります。ここでは、「矛盾」という概念を含んでいるといったイメージで構いません。つまり、パラドックスポケモンとは、現代の世界に出現した本来この時代にいない筈の遥か古代/未来のポケモンを意味しています。今作の伝説ポケモンのコライドンやミライドンもこの「パラドックスポケモン」に分類される存在のようです。

彼らの特徴は、いずれも現代の特定の既存種と似た見た目をしていることです。ここが面白いですところですよね。

 

作中でも何度か登場する(した)パルデア地方に伝わる冒険が記されたスカーレットブック/バイオレットブックには、パルデアの大穴内部で目撃したこれらの存在を記した情報が記録されており、他にも学校の図書館やコサジ灯台の研究所にあるオカルト雑誌「月刊オーカルチャー」にも、これらのポケモンについての記事があります。

一方、ポケモン図鑑の方ではとにかく確認例が少なく情報が不足しているため内容がかなり乏しいようです。「目撃情報や捕獲例はほとんどない」「生態は一切不明、データ不足」「古い探検記や怪しいオカルト雑誌に載っている生物や物体に似ている」といったあいまいな記述が多く…中には情報の少なさゆえか「月刊オーカルチャー」の文章を引用しているものまで見受けられます。ウィキペディアかよ

スカーレットブックより。「気がする」とか書いてあって人間味すごい

図鑑ですら情報薄いのはやはりパラドックスについて解明が進んでいないことの証明

この雑誌の著者って今後明かされたりするんでしょうか、したら面白そう

愛読者がいるらしい。

 

くわえて、先ほど述べたようにパラドックスポケモンは現代のポケモンと似通ったすがたをしていますが、これは前回説明したリージョンフォームのような姿が異なる同種ではなく、現代種とは別のポケモンとして扱われるようで、図鑑ナンバーも違っています。これは、両者(たとえば、プリンとサケブシッポ)の正確な関連性は不明なためであり、研究どころか目撃情報すらあやふやなせいか祖先や子孫であるとの遺伝子的な関連について断定することは出来ずにいるためであると考えられます。唯一、遺伝子検査まで行うことができたというコライドン/ミライドンだけは、「モトトカゲの古代/未来の姿である」という識別結果がでていますが、やはり図鑑上では別種として扱われています。こちらについては、現在の我々と、我々の祖先のサルに近い原始人とでは生物学的にはもはや別の種であると扱わざるを得ないのと同様なのではないでしょうか。

 

 

それでは、前提はこのくらいにして考察していきます。

提起したいのは、パラドックスポケモンの持つ矛盾性についてです。結論から言うと、パラドックスポケモンは特定の現代種の古代/未来のすがたではない、のではないでしょうか。

そう考える理由となったポケモンが、こちらです。

ビジュアル系キノコ。ベースやってそう

モロバレルと似た見た目のポケモンアラブルタケです。

BW時代は落ちてるアイテムに擬態して、マップ探索を幾度となく妨害した悪名高いキノコ

モロバレルの図鑑説明文は、

モンスターボールに 擬態するが ポケモンに 対して 効果が あるのかは よくわかっていない。』(バイオレット) なっています。つまり、モンスターボールが存在している時代よりあと、あるいは同時期に存在し始めたポケモンであることがわかります。

授業中の黒板でレジェンズアルセウスのことじゃんってわかる小ネタまで提供してくれるレホール先生すばらしい

モンスターボール自体はレジェンズアルセウスの時代(ちょっと昔)からありますが、モロバレルの擬態デザインのもとになっている、馴染み深いモンスターボールのデザイン(普通のやつ)になったのはそれよりは最近ということも作中から判断できます。よって、擬態するという特性からモロバレルポケモン世界に存在するようになったのは比較的最近であると言えるでしょう。

ここから何がわかるかというと、アラブルタケが本当に遥か昔に存在していたというのはめちゃくちゃ考えにくいということです。モンスターボールどころか文明すらあったかあやしい時代なのにがっつり腕とか頭がモンスターボールモチーフなのは明らかにおかしいです。

仮に、モロバレルモンスターボールに擬態する特性を備えたのが最近になってからであって、それ以前もモロバレルというポケモンは存在していた」としても、じゃあルーツであるアラブルタケの方がなんであんなにモンスターボールっぽい見た目なんだよという矛盾が発生します。それに、もしそうだとするとレジェンズアルセウス時代のモンスターボールには擬態していないのはおかしいです。

ニチャア

なぜなら、時代によってその姿を変化させているビリリダママルマインが存在するためです。モンスターボールという物体の見た目に影響を受けるポケモンモロバレルだけではない以上、この説はやや支持しがたいという考えになりました。

 

では、アラブルタケ(パラドックスポケモン)とは結局どのような存在なんでしょうか。

私の考えでは、彼らは現代種が古代/未来に飛ばされて、その時代で生存していくために進化・変化したポケモンのすがたであると思っています。

どういうことかというと、かの名作、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の3作目のドク(主人公の友人の科学者)に近いのではないでしょうか。詳細は省きますが、ドクはタイムマシンの誤作動によって100年前の世界に飛ばされ、そしてその時代の人と恋に落ち、結婚して子どもを設けます。つまり、その時点でタイムパラドックスが起こるわけです。ドクと結婚した女性は本来の歴史では事故で無くなるはずでしたが、主人公とドクによって助けられ、最終的には結婚して子どもまで産まれています。またドクも本来はその時代に生きる人間ではありませんから、彼らが結婚することはありえないはずだったのです。説明が難しいので、タイムパラドックスについては『バック・トゥ・ザ・フューチャー』本編を視聴すればわかりやすく理解することができますが、とにかく、本来の歴史で起こった流れを変えたことで別の歴史、別の世界線が生まれることになります。

もっと単純な話に置き換えましょう。例えば、Aさんがコップで水を飲んでいたら不注意でコップを床に落として割ってしまったとします。Aさんがそれをやりなおそうとしてタイムマシンで数分ほど過去に戻り、コップをどこかに隠すなりしてしまえば、もうAさんはそもそもそのコップでは水を飲めなくなります。このように歴史を改変すると、タイムパラドックスが生じ、本来の「コップを割ってしまった世界線」から「そもそもコップに触らず、割らなかった世界線」が分岐します。これは空間的分離ではなく時間的分離です。パラドックスポケモンはこのようにして生まれた存在であると考えます。

 

アラブルタケをモデルに説明すると、現在に生きているモロバレルが何かの影響で古代のパルデアに飛ばされてしまい、上述したドクのようにモロバレルその時代で生きるために姿かたちを変え、その環境に適応していったすがたがアラブルタケではないでしょうか。なお、ここでのアラブルタケはその飛ばされたモロバレルである必要はなく、そのモロバレルの子どもや孫かもしれません。流石にモロバレル→アラブルタケとすがたが一瞬で変わることは考えにくいです。古代という、現代種ポケモンが生存していくには過酷な環境であれば、リージョンフォームのように見た目・身体機能を変質させることが必要になるのではないでしょうか。アラブルタケが草に擬態するような傘を身に着けているのは生存に有利な進化をしていると感じます。

そして、そのようにしてうまれたアラブルタケはもう別の世界線の存在です。なぜなら、過去でモロバレルがアラブルタケになったとするともうその世界にモロバレルという存在が生まれることはおそらく無くなるからです。ドクのケースで言えば、彼が過去で歴史を変えた時点でもう一度現代にドクが生まれることはありえない、ということです。同様に、生態系とはどれか1種欠けると成り立たないものです。つまり、飛ばされたモロバレルがいた元の世界と、モロバレルが飛ばされてアラブルタケとして適応した世界はもはや別の世界線となります。

メタな話かもしれませんが、『スカーレット』ではボーマンダムウマが出現せず、『バイオレット』ではバンギラスサザンドラが出現しません。そして、『スカーレット』ではトドロクツキ・ハバタクカミが登場し、『バイオレット』ではテツノイバラ・テツノコウベが登場します。果たしてこれは単なる偶然でしょうか。

過去に飛ばされてしまったために存在していないのかもしれません

こちらは逆に未来へ…?


ここに、私がパラドックスポケモンを別の世界線ポケモンであると考える大きな裏付けがあります。こじつけのように聞こえるかもしれませんが。

がんばって書いた

図示するとこのようになるでしょう(と思います)。一度歴史に変更点を加えると、もう本来の歴史とは交わることはなく元には戻らないと感じていただければ大丈夫です。すると、パラドックスポケモンとはこのようにして生まれた別世界線上の存在ではないでしょうか。

 

なら、そもそもなぜモロバレルが古代へ飛ばされているのかという疑問が浮上します。これについては、レジェンズアルセウスの「時空の歪み」のような災害的現象セレビィの「ときわたり」に類似するような、ポケモンの持つ未知の時間移動能力現在はゼロゲート最深部にあるタイムマシンの誤作動や試作段階での事故など、いくつか可能性はあると考えられます。少なくとも、レジェンズアルセウスの「時空の歪み」では、本来、当時のヒスイ地方には存在しないはずのポリゴンズガイドスといったポケモンが時空の裂け目によってヒスイにあらわれ、彼らがラベン博士によって図鑑に記録されています。つまり、この時空の歪みが無ければ絶対に起こらない出来事が時空の歪みによって発生し、未来が変わってしまっています。

なんか画質悪いな

ここから言えることは、では、そのポリゴンやズガイドスはどこからやってきたのか、それはおそらく現代であろう、ということです。つまり、現代からポケモンが時空を超えて過去や未来に行くことは原理上不可能ではないということになります。これが、私の考えを裏付ける大きな根拠になっているかもしれません。

 

 

まとめると、パラドックスポケモンとは、なんらかの要因で現代に生きるポケモンが古代/未来に飛ばされてしまい、その時代その環境に適応する形で進化した別の世界線上のポケモンである」というのが私の考えになります。ここまで解説すれば、ありえない話と一蹴することはまずできないのではないでしょうか。

 

ここからは余談になりますが、今作は第七世代(『サン』『ムーン』、『ウルトラサン』『ウルトラムーン』)との対比であると感じています。

準伝説の、カプたち4体の土地神4災と呼ばれる呪われたポケモン

別の空間の存在であるウルトラビースト別の時間(時代)の存在であるパラドックスポケモン

どちらも準伝説は相手のHPを半分にする専用技を持ち、ウルトラビーストパラドックスポケモンの特性はいずれも自分の最も優れた能力を上昇させるというもの。

メガシンカとテラスタル

主人公と、そのライドポケモン

 

まだまだ共通性・対比はあるでしょう。ここまでくるとなにか公式の意図があるのかもしれませんね。

 

 

いかがだったでしょうか。個人の意見ではありますが、それなりに楽しめたのでしたら幸いです。それでは。